ブラックロックの米国債7-10年ETFを比較してみましょう。
なお、バンガードも米国中期政府債券のVGITを設定していますが、対象年数は3-10年です。今回紹介するブラックロックの債券ETFはバンガードの債券ETFより、償還期限迄が長い為、利回りが高く、金利に対するリスクも大きくなります。
債券ETFは個人投資家にとってとても使いやすいです。その特徴は以下の通りです。
- 償還期限が無い為、債券の現金化リスクがありません。
- 債券ETFは常に市場で売買されるている為、元本毀損リスクがある。ただし、生債券を買ったとしてもインフレの影響や後発債券と比較して劣後することはあります。
- 保有期間が長くても生債券と異なり、インデックスの性質が保持されます。(厳密に言えば、デュレーションや利回りが変化します。)
今回比較するETFは3つです。
- IEF iシェアーズ 米国国債7-10年 ETF(以後IEF)
- 1656 iシェアーズ コア7-10年米国債ETF(以後1656H無)
- 1482 iシェアーズ 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)(以後1482H有)
3つと言っても内容はほとんど同じです。これらの違いは購入通貨と為替ヘッジの有無です。

米国債7-10年ETF-IEF,1656H無,1482H有の概要
最新の利回りについては銘柄名に外部リンクを貼っておきます。
あれま。ヘッジ付きでも利回り高いですね。
ですが、一般的に高金利通貨のヘッジをする場合はコストが発生する為、利回りが低下します。注意してくださいね。
米国債7-10年ETF-IEF,1482H有,1656H無の特徴
銘柄 | 実効デュレーション | 標準偏差(3年) | beta |
IEA | 7.47 | 4.61% | -0.19 |
1656H無 | 7.51 | – | – |
1482H有 | 7.50 | – | – |
海外ETFはデータが豊富なのが良いですね。国内ETFはあまりありません。最低限の実効デュレーションはわかりましたけどね。これは金利感応性で、債券利回りの上昇がどれくらい債券価格に影響あるのかを示します。つまり、7-10年債券は長期金利が上昇し、長期金利が1%上昇したら価格が7~8%ぐらい安くなります。
betaもマイナスなので、SP500が下落した時にはこれらの債券価格は上昇することを示しています。
ちなみにこれまでの長期金利の推移を載せておきますね。
これは長期金利のチャートなのでこの金利が上昇するほど、債券価格が下落することになります。これを見れば30年以上、債券価格は上昇し続けていたことがわかりますね。1980年頃から金利は低下し続けていました。
米国債7-10年ETF-IEF,1656H無,1482H有のパフォーマンス(2018/5/8)
銘柄 | 1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 |
IEF | -0.44% | 0.19% | 1.07% | 3.71% |
1656H無 | – | – | – | – |
1482H有 | -2.07% | – | – | – |

米国債7-10年ETF-IEF,1482H有,1656H無の選択
- IEF:ドル建てで買い付けしたい方
- 1656H無:円建てで買い付けしたい方
- 1482H有:為替変動リスクを受け入れられない方
まず、IEFと1656H無は同じ投資対象に投資する為、投資成果は似てます。つまり、結局海外資産への投資なので円評価では同じ為替変動リスクを受けます。なお、投資対象の資産価格の変動以外に為替の影響だけで円建ての資産価格はだいたい年率10%変動してしまいます。
為替変動を嫌う方は1482H有がオススメです。ですが注意が必要なのはヘッジにもコストがかかる為、日本人にとって常にヘッジ有りが重要だとは限らないことです。ヘッジ有りのコストは日米の短期金利差により発生します。ざっくり言えば金利の高いドルを売って金利の低い円を買うので金利差がコストになるのです。
為替ヘッジの商品を購入したい方はコストの原理を知っておきましょう。もちろん、金利差が逆転した際にはヘッジすることでコストではなく+αの収益になります。その時には米国債の価値はなさそうですがw
これが直近の為替ヘッジコストの推移です。

さいごに
今回は米国債7-10年ETFを比較させて頂きましたが、ドル建て、円建て、ヘッジ付きと豊富な対象が揃っていました。債券クラスを投資対象とした場合、米国債は外せません。そのコアとなる可能性が高いETFなので選択肢が豊富なのは良いことですね。もし株式が高くて買えないのであれば債券を買うのはいかがでしょうか?



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