投資初心者にグロース株投資とバリュー株投資のどちらかを勧めなければいけないならば、私はグロース株投資を勧めます。なぜかと言えば、ファクターを有するインデックスの中でも分かり易く、すぐに利益を出しやすいからです。
今回はバンガード社のグロース株インデックスの違いを見てみましょう。マニアックな世界ですが、インデックス選択の参考になれば幸いです。尚、今回はインデックスの差というよりもプロバイダの違いがインデックスに影響を与えている為、大型グロースの他にも、中型グロース・小型グロース株インデックスも同様に当てはまります。

グロース株インデックスの紹介(MGK,VOOG,SPYG,VONG)
プロバイダ毎にインデックスの基準が異なりますが、以下にそれぞれに対応するティッカー・インデックス・プロバイダとグロース株の基準を纏めました。これらはいずれもバンガード社の取扱商品であり、困るほどに広いラインナップです。
ティッカー | MGK | VOOG,SPYG | VONG |
インデックス | 米国メガキャップ グロース | S&P 500グロース | ラッセル1000 グロース株 |
プロバイダ | CRSP | SPDJ | RUSSELL |
基準
| • 1株当たり利益(EPS)の長期的な成長期待 | • 1株当たり株価に対するEPSの過去3年間の変化 | • トムソン・ロイターI/B/E/S中期成長予想(2年間) |
• EPSの将来の短期的な成長期待 | • 過去3年間の1株当たり売上高成長実績 | • 過去(5年間)の1株当たり売上高の成長実績 | |
• EPSの過去3年間の成長実績 | • モメンタム(過去12か月の株価変動率) |
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• 1株当たり売上高の過去3年間の成長実績 |
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• 総資産投資比率(総資産-投資) |
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• 総資産利益率 |
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入替頻度 | 四半期毎 | 年1回 | 年1回 |
銘柄数 | 129 | 290 | 553 |
経費率 | 0.07% | 0.15%,0.05% | 0.12% |
グロース株インデックスの採用基準について
グロース株選定の基準にも様々あり、その数にも違いがあることがわかります。なお、バンガード社はグロースやバリューの分類には複数の基準を用いることを推奨しています。基準が多ければリターンの向上に資する、ということではありませんが、的を絞った投資が可能となります。
なお、聞かれなくても勝手に答えますが、分散したポートフォリオにトッピングするならばCRSPのインデックスを私は推奨します。トッピングするなら味が濃いほうが好みです。薄ければトッピングする意味が失われますからね。
ただ、この4つの中から選ぶことで致命的なミスに発展しうることはないと思いますが、単純にコストが低いインデックスは好感を持つことが出来ますね。
グロース株インデックスのリバランス頻度について
CRSPとSPDJのリバランス頻度は四半期毎です。これもリターンに直結する要素ではありませんが、濃い味の維持に資することになります。
CRSP(Center For Reasearch in Security Prices)の時価総額管理とリバランス
CRSPはクリスプと呼ばれています。(私の中で)
CRSPのリバランスはパケット化するという表現を用いていおり、パケット通信のようにある株式を分けることで隣接するインデックス間で共有させ、移動させることで売買を少なくし、コスト低減を実現しています。
また、CRSPの銘柄入れ換えリバランス日程は、明確なタイミングを予め設定していないことが運用の不透明性と指摘されていますが、これは先取り取引をある程度防止する目的があります。市場で取引する以上は出し抜かれない程度の不透明性は仕方ありません。
それでも投資信託に比べ遥かにクリアーです。ETFは毎日内容が開示されているので、粘着すればリバランスにすぐ気付ける一方、投資信託は毎日粘着したとしてもわかりません。
SPDJ・ラッセルの時価総額管理とリバランス
S&P系は年に一度のリバランスを行っており、時価総額区分には、重複するバッファーゾーンを適用しています。
MGK,VOOG,VONGの選択
今回はパフォーマンスには触れずにインデックスの違いを紹介させて頂きました。過去のパフォーマンスや構成銘柄の比較に囚われずにインデックスの違いに注目することが重要です。グロース株インデックスを選択する場合、私だったらCRSPのグロース株インデックスであるMGKを推奨致します。
時価総額加重インデックスである為、第一に経費率が低いことと、マルチファクターによる採用基準で銘柄数が少ないことが決め手です。濃いグロースファクターを有していることが期待できます。
CRSPのグロースインデックスは他にサイズの選択があり、MGKは大型のみですが、元指数が市場全体の大部分(85%)を網羅したVUGと、中型株のみを対象としたVOTと小型株のみを対象としたVBKがあります。
CRSPのインデックスと言う視点でインデックスを探してみるのも面白いかもしれないですね。

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どうもありがとうございました!