米国株への投資を考えた場合に一度は検討するであろうETFは「VOO」若しくは「VTI」かと思います。先日の記事ではサイズ・ファクターから「VOO」と「VTI」の違いを考察致しました。
今回はクオリティ・ファクターの違いから「VOO」と「VTI」を比較してみましょう。クオリティ・ファクターとは抽象的な表現をすると「良い習慣を持つ企業」であるか?ということです。もう少し噛み砕くと以下が例として挙げられます。
- 唯一無二のブランドであるか
- 市場を独占しているか
- 利益の質は永続的な価値があるかetc
クオリティ・ファクターとはインデックスにより捉え方も異なり、定義は無いのですがますが、おおよそ利益の質の高さを評価していると言えます。これらの特徴を有するビジネスは資本家に対して長期的に確かなリターンを得られると言えるのではないでしょうか。
クオリティ・ファクターの優位は景気拡大の終盤において特に強く表れます。ちなみにファクターの優位性はバリュー・グロース・モメンタム・サイズなどと様々ありますが状況により優劣が異なります。永続的に良好なリターンを示すファクターは存在しません。


VOOとVTIのインデックス
VOO:S&P500
- 時価総額が46億ドルを超える米国企業であること
- 浮動株比率が最低50%であること
- 財務に優れ4四半期に渡り純利益で黒字決算であること
- セクターバランスは採用前のセクターバランスと同様であること
VOO:CRSP USトータル・マーケット・インデックス
- 米国株式市場に上場するほぼすべての銘柄
インデックスの違いがもたらすクオリテ・ファクター
クオリティ・ファクターに注目することで発見できるインデックスの違いは「純利益が過去4四半期に渡り黒字決算」であることがS&P500に組み入れられる条件であることです。その結果、S&P500は広く網羅されたインデックスに対して収益力が低い銘柄が除外される傾向があります。
インデックスの違いがもたらすパフォーマンス
2017年は引き続き小型株全体でパフォーマンスが振るわなかったことも影響はあるでしょうが、金利上昇局面において利益の質にスポットが当たっている可能性を見逃してはいけません。
記事と関係ありませんが丁度今は調整局面ですね。直近の1年間ではわずかにVOOのパフォーマンスが上回っています。インデックスの違いからもたらされたパフォーマンスの差かどうかは、、、どうなんでしょうねw

リターンと営業利益率の相関(1963/6/30~2017/10/31)
引用 ウィズダムツリー
50年を超える長期的なデータにおいて、営業利益率の高い企業とリターンがある程度の相関を持っていることに気付けると思います。企業の利益率の高さとはつまり提供される付加価値の高さを示していますからね。良い仕事をしているわけですね。
VOOとVTIの選択
広く分散するインデックスが好みであれば米国全体を網羅するVTIを選択するべきです。ですが、収益力が低い銘柄を除外したVOOを選択するのもありだと思いますよ。なにせ54年間のデータで営業利益率の高さがリターンに直結するデータがある訳ですからね。
最後に言う事ではありませんが、VOOとVTIの違いなんて気にするだけほとんど意味ありませんけどね。
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