今回ご紹介するETFはSDYです。
ステートストリートが運用する連続増配に着目したETFです。
このSDYは日本ではすごく地味です。私はもっと評価されるべきだと思います。これは私の勝手な想像ですが、インデックス投資においてインデックスの内容や特徴を考慮する前に経費率やセクター割合でETFを判断してしまっていることが原因ではないかと思っています。
せっかくこの記事をご覧になった方は先入観無しにもう一度評価の機会をこのSDYに与えて頂けるようにお願い致します。
そしてミスリードの原因にもなったのは米国高配当株式の通称です。
本来はSP高配当貴族ETFと名付けるべきです。
何故ならば、このETFの連動するインデックスは「S&P高配当貴族指数」だからです。
高配当株投資と連続増配株投資の違いについては以下記事で取り上げています。
SDYの概要
ティッカー SDY
名前 SPDR S&P Dividend ETF
ベンチマーク S&P ハイ・イールド・ディビデンド・アリストクラッツTM指数
(S&P高配当貴族指数)
S&P ハイ・イールド・ディビデンド・アリストクラッツTM指数
このインデックスは、S&Pコンポジット1500の構成銘柄から以下の条件で採用されます。
- 20年以上毎年必ず増配する方針に従っている銘柄
- 上記条件の内、配当利回りが上位60銘柄
- ウェート付けは配当加重型
- 最大ウェイトは4%
- 時価総額が5億$以上、かつ3か月間の1日平均売買金額は500万$以上の銘柄
- リバランスは毎年1月
つまり、最大のスクリーニングは増配年数です。高配当ではなく連続増配が主眼です。そして、配当加重型の為、連続増配年数が多い程採用比率も高まる傾向があります。私は非常に面白い組み合わせだと思います。しかし、経費率を犠牲にしています。わずか、0.35%だと思いますけどね。
これらのインデックスとしての特徴からSDYはインカムゲインとキャピタルゲインの二兎を追うことを目指しています。本当はS&P500配当貴族指数に投資したい所ですが、国内の環境では投資信託でしか投資出来ません。S&P500配当貴族指数は大型株のみが対象ですが、SDYは大型・中型・小型も全て採用対象です。SDYがS&P500配当貴族指数の劣化版だと言い切ることができますか?なお、SDYとS&P500配当貴族指数の元指数の違いはVTIとVOOの違いです。
SDYの上位保有銘柄
REITも混じっており、比較的高い分配金利回りを得ることができます。それぞれの採用銘柄に注目するよりもこれらが20年以上の増配実績があることが重要であると私は思います。
SDYのサイズ
加重方式は配当に基づきます。つまり時価総額ではなく配当支払いが大きいほど採用比率が高くなる為、時価総額インデックスほど巨大企業に偏らない構成になります。
SDYの直近パフォーマンス
SDYの競合ETFは?
SDYが競合するETFはVIGとDGRWです。いずれも企業収益のクオリティに着目した連続増配インデックスやクオリティインデックスになります。
SDYはREITや中小型株も含めていることが特徴に現れ、PERは低く、分配金利回りは高く、平均時価総額も小さめになっています。VIGやDGRWが競合となるとはいえ、違いがあることがわかりますね。
【SDY】米国高配当貴族株式ETFの所感
高配当ETFの割に配当利回りが低いとか、経費率が高いということで敬遠されていませんでしたか?SDYのインデックスを確認してみれば実は中身は連続増配ETFでした。
SDYは連続増配20年と配当加重型が特徴です。その結果、企業規模ではなく増配年数が多く配当支払いが大きい企業ほど多く採用できる傾向があることが最大の強みです。素人投資家が投資する先としてうってつけですね。
近年の企業の配当の金額はずば抜けて巨額になっています。それは今後の株価にどのような影響を与えるのでしょうか。
コメント
SDYの紹介ありがとうございます。
主力で投資しているのに、HDVやVYMの紹介ばかりで不安になっていました。
モーニングスターで10年リターンを見ても素晴らしいと思っていましたが、
今回の記事で自身が持てました。
‘qwさん
もっと評価されるべきETFだと本当に思っています。過去の実績も素晴らしくインデックスの設定も非常に合理的です。是非、自信を持って下さい。
のぶ様
お久しぶりです。相変わらずSDYに凍死しています。
しかし以前から思っていましたが、SDYの低利回りだと口数の積み増しが難しい。
確かにモーニングスター10年リターンは非常に優秀ですが、
あれには配当再投資による口数増加が含まれているか疑問に思うようになりました。
せめて3%台の利回りがあれば・・・・(´・ω・`)
のぶ様はこれを見てどう思われますか?
https://www.morningstar.co.jp/etf_foreign/compare.do?ISIN=US4642872000,US97717W3079,US78464A7634,US97717W2089
10年リターンではSDYが勝っていますが、配当利回りではDHSに負けています。
シーゲル教授の株式投資の未来に載っていた、IBMとスタンダード・オイルの例になってしまっているのではないかと正直不安に思っています。
`qw様
お久しぶりです。
結論からですが、配当利回りの高さはリターンと関係ありません。シーゲル教授の論旨は不人気の高配当銘柄に辛抱強く投資し、結果的に後に人気化した際に極めて大きなリターンを得るアノマリーがある、というものだったと認識しています。長くオワコンだと思われた不人気の企業が結果的に報われた結果です。不人気だった為に低評価で高利回りだったのですね。
一方で、SDYのような連続増配ETFは過去の連続増配実績による今後の配当成長の期待と、高利回りの意味する期待値の高さで銘柄選定しています。だからこそ銘柄を入れ替えながらETFとしてキャピタルゲインとインカムゲインの二兎を終えますね。DHSは単純に高配当株で構成されているので配当利回りだけで見ればDHSに軍配が上がります。インカム収入として良いですよね。
私も含めて将来のことは誰にもわからないことを前提としてお話をすれば、株式投資そのものが世界的に不人気化しない限りはDHSと比べるとSDYがよりリターンが高い気がします。あくまで私見ですから、聞き流してくださいね。
もし、不安であればS&P500に投資すると良いと思います。なぜならばS&P500は世界の株式資産のベンチマークです。私も、将来必ず買う予定です。
丁寧な返信ありがとうございます。
あのあと簡単なシミュレーションをしてみました。
モーニングスター記載の10年リターンを毎年の株価増加に置き換えて、
配当を再投資した場合の総額、口数、配当金を見てみました。
対象はSDY,VYM,DHS,DLN,DVY,VIG。
意外なことに、時価総額では28年目まではSDY首位、VYM次点。
それ以降はVYM首位、SDY次点。
配当金はDHS、VYMの順でした。
気が付かなかったVYMの優秀さに驚いております。
トータルリターンは配当再投資込みですからそこから更に配当を再投資するのは誤りだと思いますよ。
なるほど。失念しておりました。
となると単純に、10年リターンが高いほうが良いということになりますね
まぁ、所詮過去のリターンですけどね。それにVYMが素晴らしいこともまた事実です。
A simple and inelielgtnt point, well made. Thanks!
thk!
そういえばSDY以外にキャピタルも狙っているETFってありますか?
メジャーなところはMSでパッと調べた感じでは無かった気がします。
私はグロース株への投資はやっていないのでキャピタルゲイン狙いはありません。強いて挙げれば配当成長系のETFは少し期待できると思います。例えばDGRW・DVY・VIG・1478・1494です。
ですが、やはりキャピタルゲイン狙いの王道はグロース株投資ですよ。次点でグロースも含むVOOとかVTIです。あとは中期投資で小型株ETFですね。企業倒産が増えた頃に小型株に投資するのも良いと思います。まだまだ、紹介しきれていないですねw
https://fatamorgana1986.com/etf-dgrw
https://fatamorgana1986.com/etf-dvy
https://fatamorgana1986.com/etf-vig
https://fatamorgana1986.com/etf-1478
https://fatamorgana1986.com/etf-1494
年末の配当金が決定したようですが、今年はドカっと出ないようですね(´・ω・`)
SDYとSPYDが主力になりましたが、NISA枠が復活しそうな良いタイミングで値段が下がっていますね。
出てないようですね。残念です。。
https://us.spdrs.com/resources/distributions/index.seam?ticker=SDY&onyx_code1=&onyx_code2=NA
ただ、年末の最終日にお小遣いは期待できそうですよ。
https://us.spdrs.com/public/SPDR%20ETF%202018%20Distribution%20Schedule.v.10.25.2018.pdf
初めて見たページです(汗)
たしかにPDF2ページめ、最終日になにかありそうですね・・・
しかし強烈な下げ場です。配当を貰える権利が格安になりつつあります。
現実逃避しながら投資を続けたいものです。
強烈ですよねー。
実体経済に影響が出てない段階でこれですから、先が思いやられます。
ETFの定期積み立て対応が証券会社によってはあるので、しんどくなればぜひご利用下さいw
ありがとうございます。
しかしSDYの利回りが急激に低下していますね、、、、、
連続増配ETFで配当が安定しない皮肉な現象です。
地味に盲点でした。
個別銘柄なら、配当額は安定しているでしょうね。
株価が上下するだけで乖離が発生する配当加重ETFは変動が大きいでしょうね。
その分、利益があればキャピタルゲインがありますけどね。
そうやって分配金として吐き出されるETF(SDY)も一部だけだと認識しています。
一方、時価総額加重ETFも超大型企業が減配に陥るような局面で大きな影響が出ます。
ETFである以上は避けられないですね。
連続増配は利益のクオリティに着目した資産形成期に向いた投資方法ですね。