AGG、BNDもしくはSPABに投資することで米国債券市場の投資適格債券市場にまるっと投資することができます。様々な債券が米国で流通していますが、そのうちでも信用力が高い債券に的を絞っています。
AGG・BND・SPABは様々な債券インデックスの中でも最も普通の指数に連動するETFと言えるでしょう。未曾有の金融危機後に最も早く利上げした市場が、健全な債券市場であることも重要なポイントです。
とりあえず債券ETFに興味が出た場合、入り口はこの2つのどちらかのETFが良いと思いますよ。なんたって信用力が高い債券にまるっと投資していますからね。

【AGG・BND・SPAB】米国総合債券ETFの概要(2018/7/15)
ティッカー | AGG | SPAB | BND |
名前 | 米国総合債券ETF | ||
ベンチマーク | BBG Barc U.S. Aggregate Index | ブルームバーグ・バークレイズ 米国総合浮動調整インデックス | |
経費率 | 0.05% | 0.04% | 0.05% |
利回り | 2.46% | 2.79% | 2.63% |
デュレーション | 5.91 | 6.03 | 6.09 |
引用:モーニングスター
債券ETFとしては金利リスクも低く、利回りが比較的高いことが特徴として挙げられます。また、経費率が極めて低いことも素晴らしいですね。
【AGG・BND・SPAB】のベンチマークについて
正直に言えば違いはわからないです。FEDがテーパリングしたらBNDに影響あるかもですね。
同じなんじゃないかな?(無責任)
このベンチマークは投資適格のいろんな債券に投資していて、安定的なインカムを低コストで分散することを目的として設計されています。
投資対象
- 米国債
- 社債
- モーゲージ債
- etc
ハイイールド債のような信用力の低い債券は投資対象としていません。
AGG・BND・SPABのパフォーマンス
同じベンチマークなので期間の長いAGGを取り上げます。
株価の大部分は100~110$の間をうろうろしています。
こちらは配当利回りの推移です。配当利回りもずーっと2〜5%ぐらいの値動きがありますね。長期金利の上昇に伴い最近、利回りが足元で上昇しております。
AGGの債券特性
代表してAGGの債券特性を確認します。
ベータ値:-0.03
このベータ値はSP500との連動性を示す数値ですが、AGGはマイナスです。つまり、SP500と真逆の方向に若干だけ動くってことです。SP500が10%上昇すればAGGは-0.3%下落し、SP500が30%下落すればAGGは0.9%上昇します。勿論、目安ですけどね。
標準偏差(年、3%):2.66%
この標準偏差は価格のばらつき度合いを示す数値ですが、AGGは3%以下です。なお、S&P500は10%程なので、債券ETFのAGGは安定的な推移であることがわかります。
実効デュレーション:5.86年
実効デュレーションは金利動向に対する債券ETFのリスク量を示しています。この数値が債券ETFにおいて最も重要な値です。この数値が大きければ大きいほど金利の変動により価格が変動します。5.86年の場合、長期金利に1%の変動があった場合、価格が5.86%変動することを示しています。
このデュレーションを短くすることで金利リスクは減少させることができるとも言えますね。
米国長期金利のチャートを示します。
長期金利がいつまでにどこまで上がるかは非常に難しい問題です。しかし、債券を買う以上はこの長期金利とにらめっこしなければいけません。もしもの場合ですが、この長期金利が1%迄上昇した場合、AGGはさらに3%価格が下落します。債券投資においては、長期金利の上昇を市場がそこまで許容できるのか、成長率が金利上昇に負けないだけ得られるのかが焦点になります。

【AGG・BND・SPAB】総合債券ETFの使い方
AGGとBNDは国債、社債、モーゲージ債、短期から長期までまるっと投資します。その結果そこそこ利回りとそこそこ安定的な値動きが得られます。ポートフォリオに債券ETFを組み入れるメリットは債券ETFをずーと握りしめてわずかなリターンを手に入れることではありません。値動きの大きさの違い、値動きの種類の違いを用いて、余裕資金をいつでも確保する為に保有することです。場合によっては、債券も株式もボコボコに売られることもあるかもしれませんが、傷の浅い債券を売却し売られ過ぎた株式を買う資金になります。

【AGG・BND・SPAB】総合債券ETFの競合ETFは?
総合債券の競合ETFをご紹介します。繰り返しますがAGG・BNDは投資適格債券のまるっとETFです。
【CRED】米国クレジット債券ETF
投資適格債券の内、米国債を除いた投資適格債券にまるっと投資できます。米国債は信用力が高い反面、信用力の高さから利回りは低下しています。CREDは米国債以外にまるっと投資することからAGG・BNDに比較して高い利回りを得ることができます。もちろん、その分信用リスクは上昇しています。

【MBB】米国MBS債券ETF
MBBは分散された債券ETFではなく、モーゲージ債に投資できるETFです。AGG・BNDもモーゲージ債を20%程度含んでおり、総合債券としての特徴を形成する大きな要素の一つです。かつて金融機関のモラルハザードでモーゲージ債は金融危機をもたらしましたが、債券として優れた特徴を有しています。

他の債券ETFの整理は?
債券ETFを選択する際には金利リスクと信用リスクに注目することで誤りを減らすことができます。目的とリスク許容度をもとに正しく選択しましょう。


【AGG・BND・SPAB】総合債券ETFの所感
本当は総合債券ETFであれば国内債券に投資したいところですが、量的緩和を実施している今はなかなか投資する対象としては厳しいです。

やはり、現状の債券投資はドル建てでするしかありません。
今回紹介させて頂いたAGG・BNDはドル転が必要ですが健全なアメリカの米国投資適格債券市場にまるっと投資することができる為、分散投資先として非常に優れていると言えるでしょう。



リスクの無い高配当利回りはありません。そもそも高配当利回りとは一体どんな状態なのでしょうか?

コメント
[…] 配当利回りで運用されているからです(10年以上にわたり値動きは安定。年利2.2~5.0%程度の配当利回りのようです。参考:【AGG・BNDの紹介】米国総合債券ETFが最も普通の総合債券ETF)。 […]