【DLN】に投資することで米国大型有配株にまるっと投資することができます。また、配当加重方式である為、株価が高い銘柄ではなく、配当支払いが多い企業に多く投資することができます。
よく勘違いされる方もいらっしゃいますが、このDLNはあくまで配当に着目したアプローチをとった配当ETFです。時価総額加重ETFとか高配当ETFとは根本的に設計思想が異なります。インデックスは大型有配企業のみに絞り、DLNに投資することで割高な銘柄に多く投資をすることを防ぐことができます。
DLNは米国大型株インデックスです。つまり、期待役割はS&P500に近いのですが、得られるエクスポージャーは全くことなります。詳しくは後述します。
DLNは配当に着目する配当ETFなので、投資家の期待に左右される株価に基づかない投資を実践することができます。米国での配当に関する考え方は非常にわかりやすいです。市場シェアを奪う、もしくは創出することに投資する必要がなくなった成熟企業が配当を徐々に出すようになります。この配当金支払の大きさそのものを基準にしたのがウィズダムツリーでこのDLNなんです。
ウィズダムツリーの高配当ETFをご要望の方はDHSをご参照下さい。
別記事にて取り上げております。

もちろん、無配企業に価値が無い訳ではなく、誰もが想像もできないような新たなマーケット、技術革新を創出することで莫大な利益を得る企業ももちろんあります。どっちに投資するのもそれは投資家の自由です。
米国大型株配当ETF-DLNの概要
ティッカー DLN
名前 WisdomTree LargeCap Dividend ETF
【DLN】米国大型配当株ETFの直近パフォーマンスについて
分配金に関するパフォーマンスは以下リンクをご参照下さい。

米国大型株配当ETF-DLNの貸し株金利について
2017/7/17時点でSBIの貸株金利は1.5%です。
なんでこんなに高いんですかね?w
そんなに空売りしたい人がいるのでしょうか?
通常時で0.01~0.5%ぐらいかと思います。
ただし、NISAでは貸株金利が発生しないので気をつけて下さい。
ウィズダムツリー米国大型株配当インデックス
このインデックスは、ファンダメンタル加重指数で、有配企業の時価総額上位300銘柄の大企業により構成されています。直近に公表された1株当たりの配当額を基準として、各構成会社が翌年に支払うことが予想される現金配当総額の比例割合を反映させるために、年に一度、配当額でウェイト付けされます。
DLNは米国で巨額の配当支払いを実施する銘柄群へのエクスポージャーを得ることができます。安定したビジネスに裏打ちされた配当金のファンダメンタル加重方式であることが、S&P500と異なる、DLN最大の特徴になります。
ざっくり言い換えると米国市場で配当を支払う時価総額の大きな企業に投資をすることができます。ウィズダムツリーは、魑魅魍魎が跋扈する株式市場は合理的な値付けがされていることを前提としていません。ゆえに会社が示す配当金支払額に着目している為、私にとって非常に興味深いです。
DLNの採用銘柄(銘柄数:約300)
配当加重方式の上位銘柄である為、米国大型株式のうちでもこれらの企業は投資家に対する配当金支払いが大きいことを示しています。時価総額と配当支払額を比較し、時価総額が上がればアンダーウェイトし、時価総額が下がればオーバーウェイトする構造になります。
DLNのセクター
米国大型株から無配の成長株と稼げない企業を抜いた状況がこのような姿です。
DLNのサイズ
米国大型株配当ETF-DLNのパフォーマンス
SP500と比較すると若干成績が悪いです。
米国大型株配当ETF-DLNの競合ETF
DLNの競合ETFはSP500である、SPY・IVV・VOOですね。DLNは米国有配大型企業のパフォーマンスを測定することでSP500を超えるパフォーマンスを目指しています。ですが、直近のパフォーマンスでは残念ながらDLNはSP500を劣後してしまっています。

では少しDLNを擁護してみましょう。そもそもDLNは有配企業インデックスです。つまり、高成長銘柄・割高銘柄は多くは含まれていません。一方。S&P500は大型株はなんでも含んでいます。
次に掲げるSP500グロース(成長)株とSP500バリュー(割安)株のトータルリターンを比較した過去10年間の実績をご覧下さい。
直近の10年間において、米国大型グロース株はバリュー株に対して圧勝しています。リーマンショック後の市場は金利も低く高成長株の独壇場であったことを示します。見方を変えれば割安株は割安なまま放置されてきました。
ここで言いたかったことはそもそも、過去10年間では成長企業が優勢であったことです。
過去10年間のグロース株圧倒的に優位だった市場を踏まえた上で上記グラフをご覧下さい。少し、印象は変わりませんか?ハンディキャップは小さくなかったはずですが無配株・割高株・高成長株を含まないDLNがS&P500に比べて健闘しているように見えます。
DLNの有配企業のみを対象として配当支払額でウェイト付けをするアイデアは、成長株が圧倒する今の相場でも決して引けを取りませんでした。バリュー株投資の補完戦略として採用する価値もあるのではないでしょうか。
配当支払額を基準としたDLNはクオリティ株投資に近いインデックスとして利用するのが良いかもしれないですね。

米国大型株配当ETF-DLNの所感
ウィズダムツリーの提唱する配当加重は私にとって大変興味深いものでした。ですが、資産額の低さやリーマンショック以前からの比較を見ると大変残念な結果となってしまっています。ですが、投資の世界では今後も同じパフォーマンスとなるのかはわかりません。なぜならば経済環境は常に変化し、それに応じて企業活動も変化をするからです。
リーマンショック以降で大きく変わったことが2つあります。一つは金利です。そして二つ目は企業が支払う配当金が驚くほど増えていることです。今後、配当に着目したウィズダムツリーのETFがどうなるか楽しみです。
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