【DXJF】に投資することで日本の金融セクターに対する時価総額加重のエクスポージャーを得ることができ、米ドルに対する日本円の為替変動のリスクを相殺した成果を得ることができます。
セクターETFのメリットは市場全体のエクスポージャーではなく、文字通りセクター毎に的を絞ったエクスポージャーを得ることができることです。
特に、金融セクターに関しては金利上昇が収益の改善に直結するだけに、金利上昇局面でのポートフォリオ調整にぴったりなのではないでしょうか。
【DXJF】 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ETFの概要
ティッカー DXJF
名前 ウィズダムツリー 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ファンド
ベンチマーク ウィズダムツリー ジャパン・ヘッジド・フィナンシャルズ・インデックス
経費率 0.48%
利回り 2.11%
ウェイト方式 時価総額加重
経費率は高いです。セクターETFの優位性をどこまで評価するかによるでしょう。また、ドルヘッジの収益を考慮にすることも必要かなと思います。
今の時期はドルヘッジはコストではなく、収益になっていますからね。
米国金利上昇局面における日本株金融セクターの金利感応度
下図は2012/11/30~2017/9/30において回帰分析を行い、各株式戦略が金利上昇局面においてどれほど有効であったかを検証します。
株式は市場全体の値動きは考慮せず、下記係数がマイナスであれば金利上昇とともに株価が上昇しており、プラスであれば債券価格と同様に株価が下落していることを示しています。
マイナスの数値が大きいほど金利上昇に対し、好感して株価上昇していることを示しています。
引用:ウィズダムツリー
日本株そのものが底を打った時期から計測しているので多少、大げさな数値となっていることが考えられますが、米国金融機関以上の伸びを記録しています。
金利上昇時には公益セクター、REIT、低β戦略、高配当戦略が不調であったことも確認できますね。
回帰係数とリターンの相関性
下図の左側が金利上昇に対するリターンで、右側が金利下落に対するリターンを示しています。上図の回帰係数が直近のリターンに結びついていることがわかります。
今後のリターンを約束するものでありませんが、日本の金利ではなく、米国金利に対して日本の金融機関の株価が上昇していることがわかりますね。
米国金融引締めのトレードとして有効なセクターETFと言えるでしょう。
日本の投資家が行うドルヘッジの意味
日本の株式資産なので円のヘッジではなくドルヘッジです。通常、株式資産へ投資することで現地通貨のロングポジションも同時に取ることになるのですが、ヘッジが付くことで現地通貨のポジションは無くなります。
具体的に言えば、【DXJF】に投資することで日本金融セクターと同額のドルのエクスポージャーを得ることができます。株式を買うと同時に、円を売ってドルを買っているんです。
つまり、【DXJF】の通貨ポジションは日米の短期金利差分のコスト、もしくは収益が発生します。
これが日米短期金利差の推移です。今なら1.5%ぐらいですね。ヘッジコストならぬ、ヘッジ収益が発生しています。うまー
もちろん、通貨はドルにロングとなっているので、円安ドル高に進むほど、【DXJF】の株価は上昇します。
金融引締めトレードにおける、日本の金融株にロング、ドルにロングと2重のエクスポージャーを得ることができます。

【DXJF】 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ETFのパフォーマンス
SP500と比べてみても値動きが激しいですね。SP500はドル建てなので、この比較においては為替の差は関係ありません。
【DXJF】 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ETFの保有銘柄及びセクター
日本の金融セクターETFにふさわしい銘柄が並んでいますね。ウェイト方式は時価総額加重方式です。投資家が評価する時価総額と同じ割合で保有することができますね。
【DXJF】 日本株金融セクター米ドルヘッジ付ETFの所感
経費率は高いですが、米国金融引締めに対するトレードとして理想的なエクスポージャーが得られると言えるでしょう。金利上昇にギャンブルするには良いツールですね。
もちろん、予測をせずに分散をする場合にはこのDXJFに用はありません。
コメント