今日は米国小型株式指数-S&Pスモールキャップ600指数に連動するETFを紹介致します。
米国株式&ETFの組み合わせは様々な魅力的な投資対象があり、それらを低コストなETFを用いて好きな組み合わせでポートフォリオを構築がすることが出来ます。最もメジャーな指数はS&P500と呼ばれる米国大型株式指数ですが、兄弟指数にS&P600があります。
例えば、S&P500とS&P600に連動するたった2銘柄のETFに投資することで米国株式の内、代表的な大型株と小型株の合わせて約1100銘柄をポートフォリオに加えることが出来ます。(SP500+SP600=1100銘柄)
小型株式のパフォーマンスの良さは折り紙付きですが、小型株式投資の魅力については別途記事にさせて頂いています。

S&Pスモールキャップ600指数に連動する代表的なETFは2種です。
- ブラックロック社が運用するIJR-iシェアーズ S&P小型株ETF
- バンガード社が運用するVIOO-バンガード S&Pスモールキャップ600 ETF
これらは同じ指数に連動するETFですので今回、同様に紹介致します
米国小型株式指数-S&P600に連動するETFの概要
ティッカー | IJR | VIOO |
名前 | iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF | バンガード®・S&Pスモールキャップ600 ETF |
ベンチマーク | S&Pスモールキャップ600指数 | |
運用会社 | ブラックロック | バンガード |
経費率・資産額・平均スプレッド共にブラックロック社のIJRがより優れています。この差はちょっとやそっとじゃ埋まらない気がします。
S&Pスモールキャップ600指数について
S&Pスモールキャップ600指数は米国小型株のパフォーマンスに連動することを目指しており、米国株式時価総額の3%程度を占めています。大型株と比較して流動性が低く、潜在的に財務的な安定性に欠けていると通常考えられている市場セグメントを測定する為、投資適格性及び財務の健全性基準を満たす小型株から成る効率的なベンチマークを目指しています。
指数のメソドロジー
- 米国企業の内、3億5000万$〜16億$の時価総額を有する企業
- 発行済株式の50%以上が浮動株
- 連続4四半期にわたり公表ベースが黒字利益であること
- 十分な流動性と妥当な株価
- セクターバランスを維持し、適確企業群と同様のバランスを目指す
- 時価総額加重
- リバランスは四半期毎
インデックスのパフォーマンス
S&P500を軽く上回っています。
リーマンショック以前から見ても素晴らしいパフォーマンスでした。今後の金融危機も乗り越えてくれそうな気がしますね。
IJR,VIOOのパフォーマンス
IJRのパフォーマンス
VIOOのパフォーマンス
トータルリターンではやはりどっこいどっこいですね。
S&P600の競合について
- ラッセル2000
- CRSP USスモールキャップ・インデックス
小型株式指数も多種あり幸か不幸か投資する選択肢は無数にあります。まずはインデックスを決定し、その後ETFの選択をすると良いでしょう。
SP500に既に投資している場合はSPシリーズで良いと思います。重要なことは指数の選択よりも小型株に対する保有比率と時期を決定することであることを忘れてはいけません。
また、SPシリーズにはサイズキャップ毎にバリュー・グロースに仕分けされた指数も設定されており、それぞれ連動するETFもあります。小型バリュー株を選んだり、大型グロース株を選んだり、細分化し投資することが出来ることもETFの魅力ですね。(正しい選択なんてわかりませんけどねw)
さいごに
小型株投資はリーマンショックのような経済危機を経た長期的なパフォーマンスの良さが広く知られています。今回紹介させて頂いたS&P600に連動するIJRやVIOOへ投資を行うことで手間をかけずに小型株式のポジションを手に入れることができます。ですが、IJRやVIOOへの投資は平均的な成長への投資となる為、爆発的な利益は期待できません。ロマンが欲しい方は小型個別株への投資を検討下さい。
ETFにより本来は投資し辛い分野へも投資し易くなったことによって、ETFへの悪い影響があるんじゃないかと個人的に不安はあります。VIX指数が今後さらに長期的に低下し続けるならば安心できますが、そんなはずはありません。値動きに耐えられない人から売却が始まり、株価の変動が大きいことで更に値動きの荒さは増大するはずです。それがいつ発生するかわかりませんが、そんな可能性もあることを知って下さい。あなた自身は売却しないことを誓っていたとしても、下落リスクに耐えられない投資家は大勢いるのかもしれないのです。突然、大きな下落が発生した場合、大型株と小型株、とりあえず売るとしたらどっちが売られやすいと思いますか?
ですが、恐慌状態の奈落の底こそが小型株投資の利益機会となるはずなので、是非落ちるナイフを鷲掴みしてみたいですね。掴んだ手が血みどろになるのか、反転を指咥えて見ているのかはどちらになるかはわかりませんけどね。
ちなみに、小型株投資の長期的なパフォーマンスが大型株を上回っていることは様々な文献等で紹介されています。もし、最初から投資対象としたい場合はVTIという便利なETFがあります。VTIはこれ一つで全米株式市場を網羅できます。S&P1500よりも広いエクスポージャーが低燃費で得られる為、中小型株も含めた長期投資を行いたい場合には非常に有用な投資対象と言えるでしょう。米国大型株も中型株も小型株も全てを時価総額加重で一様に投資したい場合はこれ以外の選択肢はありません。たぱぞうさんの仰るまさに究極の1手です。

コメント
中小株は本当に魅力的ですね・・・
爆発力というか、投機性というか惹かれるものがあります。
SDYに中小が50%位入っていた気がするので、それで代用にしてますがw
投機性はわかりますw
SDYはおっしゃる通りですね。ただ、中小型が多いのは今年からっぽいですけどね。今後も要チェックですね。
>ただ、中小型が多いのは今年からっぽいですけどね。
勉強不足でした。
前年とかのデータはどこで確認されたのでしょうか?
morning starに投資スタイルの推移が簡略的に表記されてたと思います。とっても簡略的なのでっぽいという表現をさせて頂いてましたw