【VGLT・SPTL】に投資することで米国債浮動調整(10年超)インデックスに投資することができます。世界で最も信用力が高く、いわゆる長期金利の対象よりも残存期間が長い米国債に投資することができます。
つまり、投資家は信用力の高いインカムと同時に、長期金利が下落するような景気後退やデフレ懸念に対してポジティブなエクスポージャーを強く得ることができます。ちなみに日本の長期金利の利回りは0.055%(2017/12/24)です。長期金利差が2.5%近くある米国経済の強さを垣間見ることができますね。
国債投資と社債投資は混同しやすいですが、VGLT・SPTLは国債100%投資ができることが重要です。金利変動には敏感になりますが、その分、資金が質への逃避をする場合には株式との反相関を期待することができます。
【VGLT・SPTL】米国長期国債ETFの概要
ティッカー | VGLT | SPTL |
名前 | 米国長期債ETF | |
インデックス | ブルームバーグ・バークレイズ米国長期国債指数 | |
経費率 | 0.07% | 0.06% |
資産額 | 721.87M$ | 1.10B$ |
1日平均取引金額 | 8.64M$ | 10.91M$ |
デュレーション | 17.27 | 17.18 |
平均残存期間 | 25.00 | 25.02 |
平均利回り | 2.97% | 2.87% |
引用:ETF.com
デュレーションが17を超える為、例えば長期金利が1%下落すればETF価格が17%上昇します。この1,2年でも長期金利は1%ぐらい上下しているので、債券ETFとしても値動きはかなり大きいですね。VGLTとSPTLを比較してみれば、経費率・資産額・取引金額ともにSSGAのSPTLに優位性があります。
【VGLT・SPTL】米国長期国債ETFのパフォーマンス
設定の古いSPTLと総合債券ETFのAGGのパフォーマンスです。SPTLは国債ETFですから直接の比較に意味はありませんが、信用力が高く、残存期間が長い国債で構成されているSPTLの値動きがAGGより大きいことはわかりますね。
それだけ、金利リスクが高いということです。残存期間が長く将来の金利リスクを多く引き受けた結果、AGGより優れたリターンが得られた一方でボラティリティもまた高いです。上図は結果論ですが、総合債券のように分散させずに金利低下の可能性が高まった時に、SPTLへ投資することで平均を超過するリターンを狙うことができます。
20年物米国債の金利推移
今は半世紀ぶり低金利状態で、債券価格は高値圏にあることがわかりますね。ですが、金利水準がどこにあろうと景気後退局面では金利低下する傾向にあり、株式との反相関を期待することはできます。

【VGLT・SPTL】米国長期国債ETFの所感
米国債投資の場合、債券の中でも信用力が高い為、期待リターン(利回り)の低い債券となりますが、残存期間が長い債券を選択することでより高いリターンを目指すことが出来ます。その分、大きな金利リスクを負担することになりますけどね。
VGLT・SPTLはインカム収入が欲しい場合の投資対象としても優れていますが、普段は総合債券に投資していて想定以上に長期金利が上がってしまった際の投資対象として面白いかもしれないですね。もしくは株式比率を高める為に、リスクの高い長期米国債ETFを少量で採用するのも良いと思います。

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