米国高配当ETFの中で最もベーシックなETFがVYMです。
高めの配当を貰いながら配当再投資するには絶好のETFです。時間さえかければ大きな資産となっていることが目に浮かびます。まぁ、時間をかけることが一番難しいことだと承知してますけどね。
【VYM】米国高配当ETFの概要
ティッカー VYM
名前 Vanguard High Dividend Yield ETF
ベンチマークに注目すると、VYMは大型株の中で予想配当利回りが市場平均を超える銘柄で重点的に構成され時価総額で採用銘柄が加重されます。但し、REITは除外されています。リバランスは年に1回です。その構成銘柄数は400程度です。時価総額インデックスには及びませんが、経費率はかなり安く設定されています。平均スプレッドが小さいことからも購入時のコストが小さく人気が高いことが窺えますね。
米国高配当ETF-VYMの保有銘柄
これらの銘柄がつまり、利回りが高いかつ時価総額の大きい銘柄となります。ちなみに現在、保有する個別銘柄の中で、今後人気を博し利回りが低下すれば構成銘柄から外れます。逆から見れば、今採用されていないが、利回りが低下した銘柄があればVYMに採用されることになるでしょう。時価総額が大きい銘柄でそんなことが頻繁に起きればこの上位陣の顔ぶれが大きく変わることになるということです。
米国高配当ETF-VYMのエクスポージャー
配当利回りが平均より高い米国大型株に投資できることから、有配企業の中で配当利回り基準で割安な銘柄に投資できると言い換えることができますね。配当を出すバリュー株ETFですね。
人気が離散している銘柄群を中心としたETFですが、400を超える銘柄に分散投資できる為、安心して長期保有することができます。
ダウの犬戦略
ダウの犬戦略はご存知でしょうか。NYダウ構成30銘柄の内、利回りが高い銘柄の上位10銘柄で毎年年初にポートフォリオを構成する手法です。
NYダウ構成銘柄自身も銘柄入替を行っていますので、今を代表する超大型株の内、割安株に投資するということなのです。単純に作業を見ると株高となって利回りが低下したものを売却し、割安となって利回りが上昇した銘柄を新規採用します。1年を通して結局割安のまま放置されても継続採用として、高い利回りで配当はgetしようという魂胆です。
ダウの犬といえば日本語では可愛らしい響きがありますが、多分に負け犬のニュアンスが含まれているんじゃないかと邪推しています。つまり、ダウの犬戦略は米国代表企業の負け犬に投資するバリュー株投資とも言えるのかなと。
それでも腐ってもダウ採用銘柄ですからね。利回りだけの採用基準でNYダウ30銘柄全体の成績を上回ることが出来るのです。検証についてはグーグル先生に聞いてみて下さい。詳しい記事はいくらでも出てきます。
VYMの株価指標と成長率
VYMは利回り基準で銘柄が採用される為、米国大型株式に連動するVOOに比べ、株価が割安です。そして、配当支払がある企業ですから成熟企業が多く、成長率という点でもVOOに比べ低くなっています。
しかし、投資家が得られるパフォーマンスの源泉は投資家の期待よりも企業の成長率が上回ることです。成長率が低くとも割安企業に投資し、成熟企業の底力こそが割安企業への投資のキーとなります。VYMは利回り基準の割安株に投資することでキャッシュで還元された配当支払いを根拠に挽回を期待した投資を行うことができます。
【VYM】米国高配当ETFのパフォーマンス
リーマンショックでこそ大きな谷間を経験しましたがその後はずーっと下値を切り上げていますね。長期間で運用することで大きな谷間も再投資を行う絶好の期間でしかなかったようです。
ただ、割安株インデックスなので、割高株が人気化している今は市場平均に劣後してしまっていますね。
10年間で年率7%を超えているので、当初の資産は2倍を超えたことを示しています。素晴らしいですね。株式投資では時間をかければ誰もがお金持ちになれる一つの良い事例となりました。高配当株への投資を行うのであれば、株価の下落は恐るるに足りません。
高配当戦略の精神的負担が少ないことは素人投資家にとっても非常に取組やすいことだと思います。
【VYM】の競合ETFは?
VYMは米国の大型高配当株に投資できるETFです。競合するETFはHDVやDHSです。VYMは広く利回りが平均以上の銘柄に投資することが特徴でした。
一方HDVは競争力が高いもしくはデフォルト懸念が低い高配当な銘柄に絞っています。
そしてDHSは上位30%の高配当な銘柄に投資することができます。
日本株版のVYMは1651がそれに当たります。そちらも配当利回りを基準とした時価総額加重のETFです。
【VYM】米国高配当ETF-VYMに関する所感
VYMは大型株の平均利回り以上で構成される為、ダウの犬理論よりも更に大きな母集団から400を超える銘柄でポートフォリオを組むことになります。銘柄入れ替え時のキャピタルゲイン税も私達の手間もかからないので素人投資家にはピッタリの商品と言えそうです。ダウの犬戦略とどっちが優れているかは無論知る由もありませんけどね。
VYMは大型株のみから構成され、採用銘柄数も多く、セクター構成も幅広いことからいわゆる高配当ETFの中で最もSP500に近い性質があると考えられます。割高株や成長株への投資を避けたい場合には選択肢の一つになります。
高配当株戦略に対してグロース株投資は本当にこのまま成長が継続できるのかと疑心暗鬼になることもあります。そんなことを考えずに淡々と再投資を続けることが出来るのが高配当戦略最大のメリットだと思います。
もちろんVYMは高配当戦略に適役です。
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