XSOEに投資することで新興国企業の内、国有企業を除く株式に投資することが出来ます。国有企業と非政府系企業のエクスポージャーの違いに注目することが投資家にどのような投資機会を与えるのかをETF紹介の前にご説明致します。
MSCIエマージングマーケットインデックス(MXEF:EEM)の構成銘柄を政府系企業・非政府系企業に分けた、過去10年間のリターンの差を以下グラフに示します。なお、ウィズダムツリーの政府系企業の定義は政府の持分比率が20%以上としています。
引用:ウィズダムツリー
ご覧頂くと非政府系企業は70%の時価総額比重であったが、MXEFのトータルリターンの90%以上を占める青色の非政府系企業がもたらしていることがわかりました。従来、新興国の成長の牽引は政府系企業によるものでしたが、株主へのリターンという側面では非政府系企業に軍配が上がっているということです。
新興国のにゅーえこのみーな企業が気付けば世界でも有数な巨大企業へと成長していますが、XSOEに投資することで、ゾンビ企業ではなくで野心的な将来の成長が期待できる市場全体の平均的リターンを得ることが出来ます。
【XSOE】ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーETFの概要
ティッカー XSOE
名前 ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーファンド
ベンチマーク ウィズダムツリー エマージングマーケッツ・エックスステートオウンド・エンタープライズ・インデックス
経費率 0.58%(グロス)
利回り 0.65%
ウェイト方式 浮動調整時価総額加重
【XSOE】ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーETFの直近株価推移
XSOEの保有銘柄
- Tencent Holdings Ltd.
- Alibaba Group Holding Ltd ADR
- Samsung Electronics Co Ltd
- Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd
- Naspers Ltd
新興国のインデックスのうちでもかなり尖った内容ですが、このようなインデックスに期待する投資家も多いのではないでしょう。中国企業がさすがに目立ちます。
中国特化版は以下で紹介させて頂いています。

XSOEのセクター比率
にゅーえこのみーなだけにセクター比率に関しては偏りが大きいです。ただ、大きくなりすぎないようにXSOEの各セクターには30%の上限キャップが設けられています。
【XSOE】ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーETFのパフォーマンス
最下段がEEMのインデックスリターンです。過去3年間では2.23%、好調だった2017年の間も9.22%アウトパフォームしています。
では、続いてXSOEとVWOの比較です。
設定が2014年なのでETF比較はこの期間で最大です。同じ新興国をカバーするETFですが興味深い挙動の違いですよね。まぁ、セクター比率の違いでしょうけど。オールドエコノミー(国有企業)をアンダーウェイトした結果ですからね。
ただし、下落局面で似たような挙動だったことは高く評価できるはずです。
新興国で国有企業がリスク要因になる可能性
経営者にとって民間の株主と政府の株主がいる場合、経営で成功する可能性は通常よりも難しいと考えられます。なぜならば民間の利益と政府の利益が異なる場合があるからです。冷静に考えれば国有化されるような企業が要請される公益は株主の利益と相反するだろうなと思えますよね。
XSOEはそのような相反する株主の利益を避ける投資を可能とします。新興国株式投資において、グローバルでより自由な競争をしている企業に対するエクスポージャーを得ることで超過収益の機会を得ることができるでしょう。
【XSOE】ウィズダムツリー 新興国株ニューエコノミーETFの所感
広く分散したインデックスにおいては良くも悪くも網羅的な投資を行うことが重要です。一方、XSOEは国有企業と非国有企業に分類することで新興国全体を捉えながらも、国有企業のリスクを避けた投資を行うことが出来ます。
新興国の国有企業であることがトータルでデメリットと考えられる場合、XSOEは一つの最適解を提示できるかもしれません。

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