日本の新興株が下落し、世界の新興国株も下落し、通貨を見れば先日トルコリラが暴落しました。金融緩和からの逆戻しで世界中から資金が流出した結果です。今日は特にゴールドについて確認してみます。
4月以降下落を続けており、最近はさらに下げ幅を拡大しているように見えます。当ブログでは中央銀行が債券を購入することで金利を直接的に操作する時代に至り、ゴールドが重要な投資先となったことを主張しています。
ゴールドはリスク資産のカウンターとしてではなく、ドルのカウンターであることがゴールド投資をする上で重要な理解となります。つまり、配当を生まない資産であるゴールドですが、通貨そのものが毀損するインフレこそが利益の源泉となります。
全米株式の配当込みインデックスとの比較です。ゴールドも30%を超える暴落を経ていますが、金融緩和局面で株式並みのリターンが得られています。リスクオフ時には円高になる傾向がある為、円建てで魅力は無いと指摘されることもありますが、高いドルで安いゴールドを買い、高いゴールドで安いドルを買うことに大きな意味があります。
株式を大底で拾えたら楽なんですけどね。
ゴールドについて確認
ゴールドの価格変動要因
基本的には実質金利と反相関となります。実質金利は名目金利に期待インフレ率を差し引いたものなので、長期金利の上昇と期待インフレ率の下落がゴールドの下落要因となり、長期金利の下落と期待インフレ率の上昇がゴールド価格の上昇要因となります。
債券との挙動の違いは期待インフレ率ということですね。また、ゴールドは債券と比べ短期的には感情的な値動きをし易いです。債券とは期待する役割が異なります。

直近の実質金利との反相関は?
2018年初から反相関が崩れていましたが、直近のゴールドの下落から割高感が解消されつつあります。まぁ、ゴールドのファンダメンダルズとも言える実質金利と比べてみればまだまだ割高にも見えますけどね。是正が続くとすれば実質金利が低下するか、ゴールドのさらなる低下が予想されます。

ゴールドの今後について
新興国の株式が下落しようと、トルコのデフォルト確率が上昇しようと状況はまだ変わっていません。落ち着いて待ちたいと思います。ただ、期待インフレ率の動向には注意したいですね。
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