高配当ETFの一覧を作ってみました。
なぜこれらは高配当なのか、なぜ高配当ETFを探しているのかはよく考えて下さいね。
一般的に高配当株は企業の成長に対して投資家の期待が低いことで起きます。1株当たりの成長期待よりも配当が大きいために高配当となるのです。つまり、不人気なんですね。私は、不人気な企業に投資し続ける勇気がありません。だって、一般論で期待出来ない株に投資するわけですからね。そこまでメンタル強くありません。しかし、ETFでHDVとかVYMを用いれば的確に高配当株への分散投資が行えます。
また、一般的に高配当な債券は償還期限が長いか、若しくは発行元のリスク(デフォルト)を高い為に債券価格が低下し、高配当となります。償還期限が長いと金利の影響が大きくなる為、金利変動による値動きのリスクが大きくなり、デフォルトが起きれば債券は償還されません。つまり、高配当な債券はリスクがどこかに必ずあります。
ちなみに10年後に償還される米国債金利がいわゆるインフレも考慮した名目無リスク利回りです。あくまで目安ですが以下のチャートが無リスクでの適正な利回り水準の推移となります。
この無リスク利回りに対する+α分が投資家が負担するリスクです。また、このα分の上乗せ利回りの大きさがリスク(不確実性)を指します。高配当を求めたらリスクが高い可能性もあることに注意して下さい。
株式ETFの分配金利回り一覧
優先株式/PFF
普通株式ではなく優先株式で構成されたPFFはとても高配当です。優先株式はデフォルト時に債権扱いではないことからリスクが高いです。なので社債よりも利回りが高く、金融機関が再び危機に陥ると流動性は再び失われることでしょう。あれば、ですけどね。

高配当株式/VYM,HDV,SPYD,DHS,DEM
分配金利回りが高いETFの内、投資対象が企業株式が中心であるのがVYM,HDV,SPYD,DHS,DEMです。成長期待が低く、今年度払い出される配当金に対して株価が低ければ高配当な株式となります。これらのETFの違いは加重方式や対象株式が米国や新興国であったりします。
ティッカー | 地域 | 加重方式 | 特徴 |
VYM | 米国 | 時価総額加重 | 平均より利回りが高い配当株に |
HDV | 米国 | 利回り重視 | 利回りが高い大型優良株へ 75銘柄程度で投資し、低経費率。 |
SPYD | 米国 | 等金額 | REITを含む、利回りが高い大型株へ80銘柄程度に 等金額で投資し、低経費率。 |
DHS | 米国 | 配当加重 | 利回りが高い大型株に500銘柄弱で投資し、 配当支払いに対して投資家の期待が低ければ保有量を増やす運用。 |
DEM | 新興国 | 配当加重 | 新興国における利回りが高い株式に500銘柄程度で投資し、 配当支払いに対して投資家の期待が低ければ保有量を増やす運用。 |
1489 | 日本 | 配当加重 | 日経平均採用銘柄の内、高配当な50銘柄に投資し、 |
1577 | 日本 | 等金額 | 日本株の内、利回りの高い70銘柄に等金額で投資する。 |
好配当株式/DVY,1478
高配当ではなく、好配当です。企業の稼ぎの多くを分配する高配当株式ではなく、増配余地を残した配当政策を実施しているのが好配当株式です。配当に着目した成長株投資ともいえ、資産形成に向いたETFと言えるでしょう。
ティッカー | 地域 | 加重方式 | 特徴 |
DVY | 米国 | 配当加重 | 配当性向が60%以下で増配余地がある高配当銘柄に投資し、 |
1478 | 日本 | 時価総額加重 | 配当性向TOP5%を除外することで増配余地を残した 銘柄を選定し、回転率を抑えた時価総額加重型。 |
債券ETFの分配金利回り一覧

ハイイールド社債/HYG
HYGは高利回り社債のボロ債券ETFです。どんな時代でも自転車操業の会社があり、お金を必要としています。信用が無くデフォルトの懸念がある社債は債券価格が安く、債券利回りが高くなり、ハイイールド者債と呼ばれます。このようなボロ社債にまでお金が行き渡るようになるのが好況です。ハイイールド債券は利回りが高い割に金利感応度が低く、金利上昇局面にも強いことが知られています。

米国長期社債/VCLT
米国の工業を中心に公共事業、金融業の発行する残存期間が10年超の社債に投資できる債券ETFです。長期金利が1%動くと14%程債券価格に変動があります。結構大きいですね。ですが、株式と異なり債券自身の減配リスクは無い為、債券価格が下落すれば利回りが上昇する所は非常にわかりやすいですね。もちろん、ETFの保有する平均債券利回りが下落することもあれば上昇することもあります。。

米ドル建て及び現地通貨建て新興国債券/VWOB,ELD
信用力の低い国が発行する政府債券に投資できる債券ETFです。米ドル建て債券の場合、新興国特有の為替のリスクはありませんが、現地通貨建ての場合はよりリスクが大きい新興国通貨のリスクも負うことになります。そして意外と新興国はデフォルトしてます。まぁ、よくあることなんで気にしすぎもよくありませんけどね。


超長期米国債/EDV
米国の安心・安全国債です。(本当か?)しかし、償還迄の期間が長ければ長いほど金利の影響を受ける期間が長くなる為、値動きが激しいです。長期金利1%の値動きで24%の変動あります。結構な変動ですね。

インカム系資産と為替ヘッジのコスト・ボラリティの比較
あくまで代表選手だけで一覧にしてみました。このように利回りの一覧を作ると債券の利回りの高さが目に付きますよね。ですが、配当利回りの高さとリターンには相関がありませんでした。資産運用を行う際には本当に配当利回りが必要なのか、若しくはトータルリターンが必要だったのかもう一度考え直してみましょう。
最後にインカム系資産と為替ヘッジのコスト・ボラリティの比較をまとめた資料をご覧下さい。
もし、インカムが必要で高利回りを探しているならばよく見ておいて下さい。利回りの高い資産はボラリティも高く、為替リスクもボラリティが非常に高いことがわかります。しかし、安易に為替リスクをヘッジすればドル円で1.4%ものコストが発生しているのです。

コメント
素晴らしい記事です!
まさに自分が欲しかった内容です。
米国株インカムのメインはSDYとSPYDの半々が良いかもしれません・・・
しかし・・・SDYって配当利回り高い方だったんですね・・・こうしてみると意外。
ありがとうございます。最近データが整いつつあるのでリアルタイムで公開できるようになってきました。国内ETFも含めて今後随時追加予定です。
インカム重視のポートフォリオも十人十色になりますよね。私はREITと株の扱いは別にしたい派ですw
SDYのインデックス利回りは3%弱ですが、12月にドバッと出るので高めになってますよね。