どーも、のぶです。
今日は安定した配当収入が欲しい方向けのポートフォリオを考えてみました。しかし、大変厳しいと言わざるを得ません。もし、今から退職金で初めて運用する場合、かなり苦労する予感がします。
これは誰にでも言えることですが、まずありがちなのは分配金利回りが高ければトータルリターンが良好だという勘違いです。分配金利回りの高さととトータルリターンは基本的には関係がありません。
なのでポートフォリオを考える際にはインカム収入と資産形成のどちらが優先されるかを良く考えて下さい。
今回ご紹介するポートフォリオはインカムが必要なポートフォリオになるので資産形成を目指す方は適していません。資産形成を目指す方の内、今の評価額をまるで気にしない方は株式100%にして、価格変動を気にする方は王道の株式・債権両輪ポートフォリオを選択し、為替・価格変動リスクを気にしない方は全天候型ポートフォリオが向いています。
価格変動リスクも為替変動リスクも投資家毎にその許容度も異なりますからね。



インデックス投資におけるインカム
インデックス投資により投資家はエクスポージャー(資産割合)の調整が非常に簡便になりました。大きすぎるエクスポージャーはインデックス単位で売却出来るからです。それはインカム中心のポートフォリオを組む場合も同様です。
例えばざっくりと言ってみれば、ポートフォリオの内、半分は株式からインカムを得て、半分は債券からインカムを得る。価格変動の許容度に応じた投資家のニーズに応じたバランス調整を可能にしています。
インカムのニーズ
- 生活費の一部(価格・為替変動リスクは受け入れられない)
- 生活費の一部(価格変動リスクは受け入れられない、為替リスクは受け入れられる)
- 生活費の一部(価格・為替変動リスクのいずれも受け入れられる)
ざっくり3つに分けられると思います。きっと単純にAからCにかけてよりお金のゆとりがあるはずですね。インカムが必要だと感じても今後どれほどゆとりがあるかどうかの判断は非常に難しいと思います。運用期間が短ければ無理に投資してはいけない所以ですね。
- 特にAはローリスク・ローリターンのギリギリの運用が必須です。
- Bに関しては第2の人生が始まっても、運用することで余裕ができる方です。
- Cはもはやお金の心配は必要なく、次の世代に目を向けることができるはずです。
私がここで提案したかったのは十分に金融資産の残高が積み上がっている場合、終活に入ってもCのようにリスクを取り続けることは選択肢としてはアリだと思いますが如何でしょうか。
十分な資産を有している方は長期運用をそのまま子の世代にバトンタッチすることができれば効果は抜群です。ただ、相続税は致し方無しです。残念ながら今後、世代間継承のコストが上がるのは間違い無さそうですしね。
インカムのニーズって生活費以外にあるんですかね?w
今回の記事はA・B向けの記事になります。
インカムを取り巻く環境について(2017年)
今はとにかく金融緩和バブルです。それがリスクを取らないローリスク運用を強烈に圧迫しています。肝心な日本ではまだ、全力で緩和中です。その結果、日本の長期金利は0にへばりついたままです。
自分の国の国債を買っても殆どインカムが発生しないことはローリスク・ローリターンのインカムが欲しい投資家にとっては絶望的と言えるでしょう。10年債の利回りが年率0.034%です。目を疑う水準ですね。
たった0.034%の利回りしか得られないのに債券価格が下落する余地しかありません。もし、今後日本の長期金利が-1%を目指すなら別ですが、あまりに報われない投資です。
日本の国債がローリスクだと思って国債に大きな金額をかけていた場合は見直すべきでしょう。リスクが高いとは言いませんが、金利上昇のリスクは間違いなく孕んでいます。
債券の価格変動は金利感応度・発行元リスク・償還期限と金利動向に深く関わります。定低位安定していた金利は投資家に金利リスクをすっかり忘れさせてしまっているでしょうね。そして金融緩和を長く継続するほど解除した際の金利上昇と株価下落のダブルパンチの可能性があることも忘れてはいけません。GPIFですら国内債券の比率を落としたんです。
では、国内公社債に投資する代表的な国内債券インデックスのデュレーションを確認してみます。
- ベンチマーク名:NOMURA-BPI(総合)
- デュレーション:8.8年(2017/10末)
つまり、長期金利が1%上昇すれば8.8%下落します。概算値ですけどね。この公社債インデックスのリスクが高いとは言いません。ですが、金利が今後も低位推移ならば良いですが、金利上昇局面でのリスクをご承知下さい。デュレーションも年々上昇しているようです。

当ブログでのインカムポートフォリオ提案
ローリスク・ローリターン運用が国内債券インデックスをもってしても困難であることから、ミドル・ハイリスクを取り、その分現金比率を高めるか、変動タイプの個人向け国債で金利リスクをヘッジするのが妥当ではないでしょうか。
つまり、普通のポートフォリオに現金or個人向け国債をどっさり盛り込むだけですw
ポートフォリオ紹介
国内高配当ETF(1489):国内債券:現金or(変動個人向け国債)=2:2:6
HDV:EDV:現金or(変動個人向け国債)=2:2:6
1478:1489: 現金or(変動個人向け国債)=3:2:5


HDVに投資することで利益の質と財務の健全性が高く、同時に、持続的に平均以上の配当を支払うことができる企業に丸っと資本を投じることができます。


残念ながら、減っては困る虎の子の資金をインカム目的で運用することは困難でした。せいぜい1~2%ですね。ごめんなさい。ですが、長生きリスクには対応できます。買い方には注意して下さい。いきなり退職金を突っ込むようなことはせずにじっくりと数年かけて焦らずに買い集めてくださいね。
ポートフォリオ紹介シリーズはご自分でポートフォリオを考える一助になればと思い記事作成しています。ポートフォリオをローリスクな商品で埋め尽くすのではなく、一部だけをハイリスクに運用するのは如何でしたでしょうか。
では、また。
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