こんなタイトルにしておいて、何が本当に正しいかなんて未来のことはわかりませんが、長期間の運用に値する投資先を見つけたいですね。もし、投資に値する価値を歴史から見出すことが出来るのならば、200年の歴史を研究した成果がありますので紹介させて頂きます。
ジェレミー・シーゲル博士の研究
各資産クラスの価値推移
シーゲル博士は株、長期国債、短期国債、金、預金を1ドルずつ、1802年に投資したとして、200年後の2001年にその価値がいくらになるかを計算するという研究を行いました。配当や利子などは再投資をしています。研究結果の抜粋として、物価の上昇を考慮に入れた各資産の価値を以下の表にまとめます。
資産 1802年の価値 2001年の価値
株式 1ドル 599,605ドル(年率6.9%!!)
長期国債 1ドル 952ドル(年率3.4%)
短期国債 1ドル 304ドル(年率2.9%)
ゴールド 1ドル 0.98ドル(年率-0.0001%)
預金 1ドル 0.07ドル(年率-0.01321%)
200年の長い歴史で見れば圧倒的に株式資産の上昇が大きいです。株式資産が長期的視点に経てば投資先として優れていると評価できます。インフレに強いとされるゴールドですらトントンなのですね。預金ではインフレには当然勝てません。
預金の-0.1321%が36年続いた場合、100円は62円になってしまいます。預金金利が付いていても悲惨なのですね。
また、初任給についても調べてみました。
1976年大卒男性の初任給は約94千円でした。
2012年大卒男性の初任給は約202千円でした。
年率2.1%上昇しています。
いずれからも資産運用の必要性を感じます。

各資産クラスのリターンの最小値と最大値
もう一つ、シーゲル博士の研究成果を紹介します。個人的にはこちらがより興味深いです。1802年から2001年までの200年の間、任意期間のリターンの最小値と最大値を調べたのが以下の表です。
リターンの最大値・最小値 1年 10年 30年
株式 -39 ~ 67% -4 ~ 17% 3 ~ 11%
長期国債 -22 ~ 35% -5 ~ 12% -2 ~ 7%
短期国債 -16 ~ 24% -5 ~ 12% -2 ~ 8%
これで投資先は決定的です。株式ですね。
短期間で見れば株式のリスクは上にも下にも大きいです。しかし、10年以上のスパンで見ると株式の下方リスクは他資産より小さくなるのです。平均値ではなく最大最小の数字なので、30年に至れば下方リスクは必ずプラス圏となったことを示しています。世界大戦だろうとニクソンショックだろうとこれまで乗り越えてきた激動の近代はどこの期間であろうと30年のスパンで見れば必ず資産成長をしていたのです。
過去の大暴落直前の高値で買っても、配当再投資するだけでプラスになるということです。勿論、30年後にブラック・マンデー級の大暴落の底値であったとしても同様ですね。かなり不運ですが。
米国株式の期間別トータルリターン(年率)
引用:JPモルガン/マーケットガイド
過去、50年近くに渡り米国株式を20年保有することで最終的なリターンはマイナス圏に沈むことはありませんでした。ブランマンデー、リーマンショックがあってもです。なので、長期運用が可能な資金に関しては株式での運用を推奨致します。
先進国株式と先進国債券を加えた場合の期間別リターン比較
当然、短期間では業績に変化がある株式はリターンのばらつきが大きいです。先進国株式な為、まるっと投資した場合でもです。なので債券を50%混ぜることで短期間での下方リスクを低減することができていますね。
ですが、このグラフからも長期間の資金であれば株式の優位性を示しています。
では、何の株式が妥当なのか?
- 日本?
- アメリカ?
- 全世界?
- 先進国?
- 新興国?
- 成長株?
- 割安株?
- 生活必需品セクター?
- ヘルスケアセクター?
- 公益株?
- 連続増配株?
- 高配当株?
これは好きなのを選んで良いと思いますよ。
どれがベストかなんてわかりません。
日本だっていつかは高値を更新すると思っています。
本来の経済成長であれば株式は高値を更新し続けるものですからね。勿論、間に暴落を挟みながらですがw
今の中央銀行のトレンドは日本の二の舞いを避けて、金融緩和で資産インフレを強引に起こそうとしているのです。金融を引き締めようとしているのはアメリカだけです。ただ、引き締めようとすればするほどインフレ圧力は高まり、いずれ株価は暴落です。水は低きに流る、自然の摂理です。
今はアメリカが史上初めて、大規模金融緩和後の引き締めを行う壮大な実験を行っています。これがどのような結果になるかは誰もわかりません。繰り返される暴落程度で済むのか、史上最大の大暴落となるかはその時にならないとわからないのです。
それでも私はアメリカ株です。
コンプライアンスもガバナンスも良いですからね。
株主還元も良いですよね。
軍事力があり、ルールを変える力も具えています。
ドルは運用しやすい通貨ですしね。
将来は不確実性で満ち満ちており不安でいっぱいかもしれません。しかし、30年前も同様だったであろうと想像できた時、資産運用への道に一歩踏み出せるかもしれないですね。
では、また。
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