どーも、のぶです。
為替ヘッジの基本を確認しましょう。
まずは為替ヘッジってなんぞやの定義から
為替ヘッジとは
為替ヘッジとは、為替の変動による外貨資産の円ベースの価値の変化を回避することです。ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味です。一般的に海外の株や債券などの資産に投資する場合、その国の通貨で運用が行われます。そのため、為替の変動により、円に換算する際に資産価値も変動することになります。このような為替の影響を避けることが為替ヘッジの目的です。為替ヘッジを行うために、先物取引や信用取引などの取引が行われますが、相応のコストが必要となります。
SMBC日興証券
押さえておくべきポイントは2点です。
- 為替の変動リスクを抑えることであり、投資のリスクを抑えるものではない
- ヘッジには費用または収益が発生する
何でもかんでもヘッジすれば良いわけではないことを知ってください。
為替リスクはどんな時に発生するのか?
素人投資においては分散投資が基本となる為、国内資産以外に海外資産に投資することを検討しなければいけません。例えば米国株式であったり、英国株式であったり、米国債だったり、ロシア国債だったり、シンガポールのRIETだったりとかです。外国資産へ投資する際には現地通貨での買い付けが基本なので為替の影響を受けてしまうのです。
例えば米国株を買う場合にはドルを使い英国株を買うにはポンドを使います。それぞれドルやポンドが円に対して価値が変動する為、投資先の資産価格変動と投資先通貨の為替価格変動の合計が円評価での価格変動に影響します。
これは円と他25通貨を対象に算出した実効為替レートの指標です。円の強さの推移が分かります。わずか数年の間に円の強さはこれだけ変動があります。円が強くなり円が高くなった場合には海外資産の評価額は減ってしまいます。円が他国通貨よりも強いということは相対的に他国通貨の価値が下がっているということです。
為替ヘッジの仕組み
では為替変動のリスクを抑えるにはどうすれば良いのでしょうか。
円で米国株を買うにはドルに両替する必要がありました。ここでドルを買うから為替リスクが発生したんですよね。だったら、一旦買ったドルと同じ量のドルを売ることでチャラにできます。
具体的に見てみましょう。
資産 | 投資前 | 両替後 | 投資後(H無) | ヘッジ後 |
円 | 100円 | ±0 | ±0 | ±0 |
ドル | ±0 | 100ドル | 100ドル | ±0 |
米国株 | ±0 | ±0 | 100ドル | 100ドル |
つまり、ヘッジをする際には購入した資産に対して反対側の通貨のポジションを立てることで為替変動をチャラにすることが出来るのです。ドルを今売って将来に返却する約束をすることですね。これは質屋と同じです。知らんけど。
為替ヘッジの費用または収益について
為替ヘッジでは通貨を一旦借りる為に、費用または収益が発生することになります。
- 費用の場合:高い金利の通貨を売って、安い金利の通貨を買えば費用
- 収益の場合:安い金利の通貨を売って、高い金利の通貨を買えば収益
円のドルヘッジを具体的に見てみましょう。
米国株をヘッジ付きにする場合はドル売りが必要でした。それぞれの金利は次のグラフを参照ください。
ドルの金利が高い期間が長いですね。今もドル金利が円金利に比べより高いです。低金利の円を買って高金利のドルを売る為にその金利差が費用となってしまいます。
これを見るとヘッジコストが今の1%強が、さらに2、3倍となるかもしれないことを示しています。ヘッジコストは変化することもあれば費用や収益となることもあることは非常に重要なことなので知っておいて損は無いはずです。
特に執筆時点で日米の金融政策は真逆です。今後更に金利差が拡大してコストが急上昇する可能性が高いこともご留意ください。
為替ヘッジの使い方
もっとも重要なことは仕組みよりも使い方です。為替ヘッジが必要な場合を考えてみましょう。為替ヘッジは為替変動のリスクを抑えることです。資産価格の変動を抑えることではないことを念頭におきましょう。
これは円ヘッジの有無のリスク・リターン平面で示したものです。リスクが低い左側に円ヘッジの外貨資産が多くありますね。データも2003年からと15年弱の中期間ぐらいなので、ヘッジの有無を考えるには参考になるかなと思います。
例えば、SP500を見てみましょう。
- ヘッジあり=リスク約14%、リターン約8%
- ヘッジなし=リスク約18%、リターン約9%
こうやってみるとヘッジによるリスク低減の効果は大きく見えます。
今私は一切ヘッジしてませんけどね。
長期間の運用を考えていな場合はヘッジコストと利回りを参考にされると良いかもですね。そもそも、リスクが低い資産は利回りも低くヘッジするに向かないことがあるのでバランスが重要です。
ドルヘッジの日本株投資は?
米国上場株式にはドルヘッジ付きの日本株投資ができますが日本人投資家は活用出来るのでしょうか?ちょっと考えてみましょう。
まずはドル建ての日本株投資を考えてみましょう。冒頭で米国株投資の通貨ポジジョンを考えてみましたが、その日本株投資の場合です。つまり、一旦、ドルでの両替は行いますが結局日本株へ投資するので通貨ポジションは円建ての日本株投資と同様になります。ドル建ての日本株投資は円建ての日本株投資と評価額の推移は同じなんです。
これをドルヘッジすると円を売ってドルを買うわけですからヘッジは費用ではなくて収益になりますね。しかも、円安になれば通貨のヘッジが出来ているのでパフォーマンスは良くなります。
つまり、円高株安局面で仕込むことができれば、円安株高の恩恵を通貨・株価の両方の恩恵を受けることができます。逆張り大好き投資家の方は検討の余地ありだと思いますよ。
ティッカーはDXJとかDXJSですね。
これなら、今度気が向いたら逆張り投資に挑戦してみようかなと思います。いつ、そんな機会がくるかなんてわかりませんけどね。案外、今は良いチャンスなのかもしれません。

最後に
為替ヘッジの仕組みと使い方は非常に難しく、まさにタイミング投資のような技術が必要になることもあります。なぜなら、米国株に円ヘッジをすることはコストをかけてドル安に賭けていることになるからです。でも、そんなことは将来どうなるかわからない為非常に悩ましいことですね。一方、ヘッジコストが収益となる為替ヘッジがあることを知ってもらえれば投資の幅はもっと広がるかもしれません。
では、また。
ドルヘッジはゴールド投資でも有効です。

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