どーも、のぶです。
インデックス投資とは広く分散を目指すだけでなく、テーマやセクター、ファクターを絞ることでより良いリターンを追求することが出来ます。今回は割安株に投資するバリュー株投資でもなく、成長株に投資するグロース株投資でもない、クオリティ株投資をご紹介致します。
クオリティ株投資とは株価ではなく収益・財務健全性に着目する投資方法です。 永続性のあるビジネスモデルだったり、持続性のある競争優位を有し、景気サイクルの変動においても長期的に優れたリターンをクォリティの高い企業は投資家に提供してきました。
「クオリティ」とカタカナで書くといかにも胡散臭いですが、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「クオリティは、行為ではなく、習慣に現れる」という言葉を残しています。
クオリティ株投資とはいずれ株主へ利益還元するであろうクオリティの高い企業習慣に着目するという理解で良いと思います。日本では連続増配株投資とかで耳にすることは多いですね。

クオリティとは何か
クオリティインデックスの場合は特にですが、企業の質を測る指標には様々あり、インデックス毎にも採用条件は異なる為、あくまで代表的な広い意味での要件を確認していきましょう。
- 経営効率
- 利益の質
- 投下資本利益率
- 財務健全性
- 資産成長率
経営効率
株主目線で企業がどれだけ効率的に付加価値≒収益を生み出しているのか、株主資本利益率、総資産利益率、総資産粗利益率、総資産回転率とかが測定基準です。
他にもたとえば投下資本利益率という指標があります。もし、企業に高い資産コストが継続してかかる場合、企業成長の為の再投資に悪い影響を与えかねません。クオリティの高い企業は資本を効率的に運用し、売上から多くのキャッシュフローを創出する企業を指すのです。
株式リターンの中で配当が重要なファクターであったことを考慮すれば、投下資本利益率が高いことがクオリティの高い企業であることに間違いはありません。キャッシュフローは株主還元、M&A、債務の返済に充てることが一般的だからです。
利益の質
クオリティの高い利益とは泡沫なる利益ではなく、持続性・長期成長予測など景気の善し悪しに影響を受けづらい安定的かつ予測可能な利益を指します。また、スケールメリットで得た利益なのかブランド力で得た利益なのかなどでも利益の質は大きく異なりますね。特に価格でしか差別化できないような利益ではとてもクオリティが高いとは言えないでしょう。また、コモディティ化が進んでしまい、企業が市場をコントロールできなくなってしまうような状態も企業としてのクオリティが高いとは言えないでしょう。
利益の質という点では粗利益率が重要な指標となります。
勤め人の方がいらっしゃればご自分のの会社で当てはめてみてください。粗利率はどれくらいですか?殿様商売出来ていますか?殿様商売ができる企業が勝ち組なのは明白です。
稼げる会社が市場平均を超えるのはもはや自然の摂理ですね
財務健全性
経営効率を高めるのに財務レバレッジは不可欠ですが高すぎれば利益に悪影響を及ぼし、財務健全性を脅かす可能性があります。これらを測る指標として。マーケットレバレッジ、負債自己資本比率、負債資産比率などです。
まぁ、負債に関して言えばあることが悪いわけではありませんけどね。
その他
コーポレート・ガバナンス等、直接収益と関連しない指標を用いたインデックスもあります。クオリティインデックスの採用条件は非常に多岐にわたります。
クオリティ株投資が与えるエクスポージャー
様々なクオリティインデックスがありますが、基本的にクオリティインデックスに投資するということは「高い経営効率・利益の継続性・低いレバレッジ」に投資することがベースとなります。成長性とディフェンシブ性を併せ持つこのクオリティインデックスは金利上昇局面等の難局でも耐える力がある可能性が高いという安心を投資家に与えてくれます。
クオリティインデックスのパフォーマンス
代表的なパフォーマンスを紹介します。
- S&P500 quality index (SPHQ)
- 米国株クオリティ配当成長インデックス(DGRW)
DGRWが設定後3年だったので3つで比較するにはこれが最長です。どちらもS&P500に連動するIVVを上回る成績ですね。
SPHQは10年間での比較が出来たのでご覧下さい。これ以上は見つけられなかったです。
SPHQは財務レバレッジも考慮したクオリティインデックスですが、低金利時代においても素晴らしいリターンですね。
クオリティインデックスがポートフォリオの構成において重要な役割を演じる可能性
バリュー株投資にクオリティのトッピング
ポートフォリオを考える上で重要なことはエクスポージャーの組み合わせについてでした。このクオリティに投資する戦略で相性の良い投資方法はバリュー投資です。
既存のバリュー戦略の上にクオリティ投資をプラスすることは全体のポートフォリオのボラリティを改善することに資するでしょう。
小型株投資にクオリティのトッピング
はっきり言おう、小型株のリターンもシャープレシオもバリューが圧倒的に良い。
それでも最近はグロースの台頭もあります。小型株のサイズプラスの選択に不安があればバリューにクオリティをトッピングをお勧めします。
今のグロース全盛の時代はいつか終わるでしょうがいつ終わるのかが不明です。そんな時はクオリティがバリューの引き立て役となる可能性があります。
クオリティ株投資の可能性とは
日本ではまだまだクオリティインデックスに投資できる環境は少ないです。知名度も低いです。ですが、ようやくインデック投資の環境も整い様々なポートフォリオを構築できるようになったのでぜひ活用してみたいですね。
バリュー投資、グロース投資だけでなく、プラスクオリティ株という選択です。
DGRW,DGRSが日本の証券会社の取り扱いがありますね。


では、また。
また、連続増配企業への投資もクオリティ株投資です。



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